@chinjuhさんと読む草双紙・はてな出張所

ばけものが出てくる草双紙のあらすじ等をまとめたものです。草双紙は江戸時代の絵本です。

妖怪雪濃段(ばけものゆきのだん)

https://honkoku.org/app/#/transcription/C0531A8CD853F2723401FC3D621A85DB/1/
# 上記リンク先ではくずし字の原典と、それを現代の文字に置き換えた翻刻文の両方を読めます。

ばけものゆきのだん
妖怪雪濃段

発行年:1763(宝暦十三)
作:不明
画:富川房信

登場人物

みこし大坊主(むじなが化けたもの)
三つ目の雪女(たぬきが化けたもの)
三つまなこ、雪女の夫
坂田金平
山賊たち
里人たち

物語

 みこし大坊主は化け修業に出かけ雪に降られて進めなくなり、雪女の家で宿を借りようとするが、亭主が留守だからといったんは断られる。そこへ亭主の三つまなこが帰ってきたので泊めてもらい、亭主はみこしの武勇を感じて力をあわせて坂田を倒そうと話す。坂田金平もまた武者修行の旅をしており、山賊に襲われて身ぐるみはがれそうになるが、逆にやっつけて国境まで送らせる。

 金平は武者修行を続け、みこしも往来で人をおどかす。里人が化物のせいで人が通らなくなったと話すのを聞き、金平が化物の出そうなところへやってくる。待っていたかのように襲ってくる化物たち。しかし金平に退治され、化物の正体であるたぬき、むじなは生け捕りにされる。

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見越し入道(この話ではむじなが化けたもの)