@chinjuhさんと読む草双紙・はてな出張所

ばけものが出てくる草双紙のあらすじ等をまとめたものです。草双紙は江戸時代の絵本です。

武家物奇談(ぶけものきだん)

https://honkoku.org/app/#/transcription/BE61BC227A27DA7E091DBB7C4B9B25A8/1/
# 上記リンク先ではくずし字の原典と、それを現代の文字に置き換えた翻刻文の両方を読めます。

ぶけものきだん
武家物奇談
発行年:1802(享和二)
作:馬鹿仙人 花道
画:歌川豊国

物語

 奇妙な話ばかりを集めた短編集で、それぞれがお芝居や歴史的人物のパロディのようになっているが、笑い所が少なく、歌舞伎等の知識の薄い現代人の目から見るとひょっとしたらこういう伝承が実際にあるんじゃないかと思いそうになるが、最後の最期で鵺(ぬえ)を若い女性にたとえたものが出てきて、ああ、パロディだったんだなと気付かされる。武蔵坊弁慶の亡霊のような役割で見越し入道も登場する。以下は目次である。

  • 岩田川茂森の怪
  • 越中黒丸の怪
  • 倶利伽羅谷巴女の怪
  • 粟津ケ原今井戸の怪
  • 蝶千鳥の怪
  • 入道火焔と化怪
  • 難波津之梅の怪
  • 梶野之原蚰の怪
  • 影清両眼の怪
  • 赤沢山蟾蜍の怪
  • 七騎落の怪
  • 五条橋千人取の怪
  • 渡辺村お綱婆々怪
  • 化鵺の怪
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左側が武蔵坊弁慶の亡霊のように描かれた見越し入道