@chinjuhさんと読む草双紙・はてな出張所

ばけものが出てくる草双紙のあらすじ等をまとめたものです。草双紙は江戸時代の絵本です。

水虎十弐品之圖(すいこじゅうにひんのず)

https://honkoku.org/app/#/transcription/272DB3FC9002FF0BD76B4AAC96FF7B12/1/?ref=%2F
# 上記リンク先ではくずし字の原典と、それを現代の文字に置き換えた翻刻文の両方を読めます。

すいこじゅうにひんのず
水虎十弐品之圖(水虎十二品之図)
出版年:1800年代(江戸時代後期)
鑑定:坂本浩雪(本草家、医師)
縮図:純澤(純沢)

 この本は草双紙ではなくて、12種類の水虎(河童のこと)の図と、捕獲例や目撃例、伝説などを集めた江戸時代の印刷物です。12種類といっても同じ水虎の裏表だったりするので絵は10種類なんですけどね。

 その図もこの刷り物がオリジナルではなくて、ほかの文献から書き写したもので、まあ今でいうとネットの「まとめ」みたいなやつですね。

 年月日等が記されている国内の目撃例、捕獲例をピックアップすると以下の5件、かな(適当ですみません)。

・享和元年辛酉六月朔日、水戸東浜で網にかかった水虎。
・菅原大明神什物(宝物)水虎陰乾(ミイラ)。
寛永年間、豊後國肥田と言うところで捕獲された水虎。
・明和年中、本所御竹蔵近辺にて生け捕りにされた水虎。
越後国新潟に産する水虎のミイラ。寛政甲寅(寛政六年)に筆者が写生したと書いてある。

 みんなで翻刻の@chinjuhさんと読む草双紙のコーナーへ行けば翻刻された全文も読めるし、くずし字のオリジナルも読めます。

 ただ、この資料は図の中に散らし書きされているので、つきあわせて読むのが大変だと思います。そこで、翻刻文を図中に貼りつけたものを作りました。以下からダウンロードしてご自由にお使いください。
drive.google.com

 みんなで翻刻では、参加者が作った翻刻文にクリエイティブコモンズの CC-BY-SA というライセンスが宣言されてまして、平たく言うと出典を明記する限り自由に利用してよい(営利目的も可)ということです。翻刻文を図中に貼っただけ、みたいなのもこのライセンスが適用されますので、上記リンクにあるものはどう使っていただいてもかまいません。再配布する際は、図の裏表にあるクリエイティブコモンズのマークと「みんなで翻刻等」の文字を消さないでください。

f:id:chinjuh3:20211008095306p:plain
水虎十二品之図