@chinjuhさんと読む草双紙・はてな出張所

ばけものが出てくる草双紙のあらすじ等をまとめたものです。草双紙は江戸時代の絵本です。

化物七段目(ばけものしちだんめ)

https://honkoku.org/app/#/transcription/135502A2F822D6BCC2DBC7616C4118AE/1/
# 上記リンク先ではくずし字の原典と、それを現代の文字に置き換えた翻刻文の両方を読めます。

 このブログの筆者が作った Kindle用の電子書籍です。翻刻文を挿し絵の中にはりつけて絵本として楽しみやすくした古文編と、挿し絵を彩色して文章を現代語訳にしたもの(現代語編)が収録されています。Amazonで購入して、Kindleで読むことができます(ちょっと分かりにくいんですけど)。読み放題にも対応していますので、Kindle Unlimited会員の方は追加料金なしで読めます。


ばけものしちだんめ
化物七段目
発行年:1784年(天明四)
作:幾治茂内
画:鳥居清長

登場人物

のっぺら入道、見越し入道の息子
猿、入道の知人
蛇、同
すっぽん、船頭
三毛和尚、猫ウ院の和尚
魚好和尚、相州切通の化け地蔵寺の和尚
化け地蔵、かつて切通にあった石地蔵のこと。現在身代わり地蔵と呼ばれているのと同一か。
いたち
ぶた
 …など化物たち

物語

 のっぺら入道は、みなさんご存知の見越し入道の息子。しかし化物としてはあまりパッとしない。そこで仲間の蛇や猿とともに相州切通から化け地蔵を招いて出開帳を企画する。会場はその手のイベントで有名な猫ウ院が選ばれた(出開帳で有名な本所回向院の洒落)。

 出開帳が大当たり。毎日おびただしい数の参詣者がやってくる。ここでもう一儲けと「七段目」の化物芝居を興行する(仮名手本忠臣蔵の七段目のパロディになっている)。ほかに見世物なども大好評でのっぺら入道たちは大もうけしたのだった。

メモ

  • おみえい(御御影)、仏様のお姿を描いたもの。おみかげと読むお寺もあるが、ここではおみえいと呼ばれている。
  • 化け地蔵、当時有名だったのか、多数の草双紙に登場する相州切通の石地蔵。
  • 猫ウ院、回向院の洒落。あちこちのお寺の御本尊様などが回向院で出開帳(出張御開帳)された。
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相州切通へ出開帳の相談に行く猿

↓同じ場面を着色したものです(本を作る作業中のツイート)

全ページカラーにしたものは冒頭にも貼りましたが下記リンクよりご購入いただけます。Amazonで購入してキンドルで読むための「電子書籍」です。紙の本ではありませんのでご注意ください。